これから長々とスコッティの最も初期のパターメーカーとしての歴史を書き連ねます。スコッティの歴史に興味のない人は苦痛でしょうから、読み飛ばしてください。
明らかになっているスコッティ・キャメロンの歴史は、ゴルフのプロを目指して西海岸のミニツアーに出場していた時に、自宅のガレージでパターが下手だった自分のためにパターを作り始めたことからスタートします。1980年代の話です。 その後1986年に24歳でRay Cook社に入社し、そこでブルー・グース・パターを作ります。1991年に独立し、1991~92年にMIZUNOと契約して7種類のプロダクションモデルを作ります。 その後1993年にCameron Golf Internationalを設立し、あの伝説のCLASSIC1を作ることになります。
あまり知られていないことですが、Ray Cookに在籍している頃とMIZUNOと契約している頃の間に、ウェッジで有名なあのRoger Clevelandと仕事をした時期があります。自宅のガレージでRoger Clevelandと一緒にパターを作りました。スコッティとロジャーが取り組んだ正確な時期はわかりませんが、かなり早い時期だったと思います。 その中の1本のパターを出品いたします。ROGER HANDMADEと名付けられました。 映像でご覧になっていただいても分かりますが、恥ずかしいくらい出来の悪いパターです。現在のスコッティの洗練されたパターと比べれば、鉄の塊と言っても過言ではないかもしれません。スコッティが苦労して試行錯誤していた頃の歴史を感じます。ただスコッティの凄みを感じるのは、もうすでにこの時期から鍛造ではなく、鉄の塊から削り出していることです。 スコッティはこの時すでに中古のCNCミリングマシーンを入手していたのだろうかとか、色んなことに思いを巡らせてしまいます。
パターはマレット型で、フェイスに9、ROGERとだけスタンプされています。パターのどこにもスコッティの名前はありません。スコッティの歴史に詳しい人は、アメリカのThe Chicago Golfが発売したパターのことを知っていることでしょう。 Mizuno Concept Putterと呼ばれたダイナミックなスワンネックのパターでした。 当初は100%本物を意味する、Aから始まるCOA(証明書)が出ていました。 しかしある日突然、パター上にどこにも自分の名前のないパターは私のパターではないと、スコッティは考えを変更しました。それまでAのCOAが出ていたMizuno Concept Putterの証明書は全て取り消され、それ以降もそのスコッティはその原理原則を貫きました。
それから10年ほどして、このパターが見つかりました。 スコッティの名前はパター上にありませんから、原理原則からすれば、Aの証明書が出る可能性は極めて低いと思われました。 以下にAの証明書は出るのかというスタジオのクリスティとのメールでのやり取りを掲載します。 ”Scotty said it was just two friends tinkering around in a garage. Of course its one of a kind (which all handmades are usually are). He said sometimes history will trump the rule...that is if it does not have Cameron on it, then its not a Cameron. It will be getting an "A" certificate. This one will be called a Roger Handmade. FYI. Thanks ” クリスティのメールを和訳すると、「スコッティは、ガレージでいじくり回していた友人は2人だけだと言いました。もちろん、このパターはその中の1本です(通常はハンドメイドであります)。 キャメロンの名前のないパターは、それはキャメロンではない、というルールは、時々歴史がその規則を打ち負かすだろう、とスコッティは言いました。(つまりこのパターにはスコッティの名前はないが、自分が作ったパターだと認めたということです。) それは「A」の証明書を取得するでしょう。これはロジャーハンドメイドと呼ばれます。ご参考までに。ありがとう。」
フェイスに9のスタンプがあるので、スコッティはクリーブランドと一緒に少なくとも9本以上のパターを作ったはずです。でも私は長年スコッティのパターを見てきましたが、これ以外にこのようなパターを見たことがありません。それ以外のパターはどこに行ってしまったのでしょうか。残っていればスコッティの初期の歴史の重大な部分を物語ってくれたことでしょう。 もっともセルヒオ・ガルシアがゲーマーで使っていたMIZUNOのパターを、彼の祖母が暖炉の火掻き棒として使ってしまった、という話があるくらい、スコッティが無名の時代のことですから、残ってなくても致し方ないのかもしれません。
スペックは実測で、35”、501g、バランスD2.5です。 現在のパターに通じるスペックを備えています。 映像でお判りのように、シャフト2本分くらいフェイスオフしています。そしてフェイスバランスのパターです。 ヘッドカバーは映像のカッパーが付属します。 シャフトはノンステップのTrueTemperのスティールシャフト、グリップはロイヤルグリップが装着されています。 COAが付属します。 紙のCOAには用紙のスペースの関係で詳しく記載されていませんが、スコッティのWebには、"Roger handmade putter in a black oxide finish with '9'. Scotty helped Roger Cleveland work on this putter in his garage."と記載されています。 この機会に落札してください。
■発送は安心の佐川急便の元払い(北海道、沖縄、離島などを除き、一律1,683円)、または送料着払いを予定しています。 他にも出品していますので、ぜひご覧になって下さい。落札後のキャンセルは8.8%のオークション手数料を申し受けます。宜しくお願いいたします。